嬉しいから、笑う。 ただ、それだけのこと。 白い花は優しくて、だからいつも寄り添っている。 言わないけど、受け止めてほしい。 自然が呼吸するところの大気のように。
丸い月が、ゆっくりと欠けていく。 生まれるよりも儚くて、 退屈なほど、時間は遠い。 世の中を平面でしか見られない眸は、 宝石のような感性を持って生まれた。 ルビームーン。 紅玉の月。
風のない日。 窓から見える稲穂は、ほんの少し首をもたげ、 うぐいすは、思わず鳴いた。 胸元に一筋の汗が流れ、 言葉にできない感覚に包まれる。 それは、奇跡の一滴。
秋の雲とドライブをして、 月と一緒にお散歩をした。 走っても走っても空は続くし、 歩いても歩いても道は続く。 花の市場は秋色に染まり、 染まった葉っぱは、ハラリと落ちる。 コスモスの後姿が好きで、 だからいつもしゃがんで見る。 そこには、透明な風が見えるから。
実りを感じられるような、そんなものを。 素敵なその方は、そう言った。 実り。 実る。 草木が実を結ぶこと。 努力し、成果を得ること。 実りの時。 思いが、実りますように。
いつもと違う道を歩いて、遠回りした。 慣れないくつを履いたら、靴ずれをした。 ひさしぶりの、青い空。 いただいたミモザをリースにすると、清々しい風が吹き、 扉の向こうでは、虫が鳴く。 きっと、楽しいことが待っている。 これからが、好きな季節。
今日も雨。 窓が、音を立てて揺れている。 感情は言葉を見失い、 乾いた瞳は、まばたきを忘れる。 何かを洗い流すかのように降り続く雨。 弾むようなピアノの音色は、 柔らかい部分に語りかける。 ぼんやりとした記憶の中、 確かな存在として、そこにあるもの。 湿った空気の向こうに、果てしなく広がる世界。 想いは、尊い。
久しぶりのアトリエは、雨の始まり。 嬉しくて、ワクワクしていた。 山芋の蔓を巻いて、小さなカラスウリを壁に。 野ばらは曲がり、粟の穂はなびく。 秋明菊の花は儚く、ホトトギスの花は鳴かない。 水と、光と、硝子と、根。 柔らかな景色。
実りの時、 北浜の素敵な場所で、ワークショップをさせていただきます。 秋を彩る草花と、日々の器、実りの焼き菓子。 素敵な一日になりますように。 テーブルの上、秋の彩り。
長いお休みをいただいて、 夏が終わりを迎えた。 空が秋の色に変わり、風は優しく肌に触れる。 久しぶりに訪れた場所が、ほんの少し変わっていて、 なんだか物悲しい気持ちになる。 映画を見て、空を見て、 人を見て、木々を見る。 本当の言葉だけを心に留めて、 そうやって日々を過ごしていこう。 夏の終わりに考えたこと。 始まりの月に思うこと。
mail