雨の降らない六月。
遠い街に住む友人に、会いに行った。
彼女と出会ったのは、十四歳の頃。
一緒に遊んだ記憶は、ほとんどない。
それでも、自然と繋がっている。
言葉を交換し、音楽を聴き、心で寄り添っていた。
十数年ぶりに会っても、その感覚は変わらない。
いっぱい笑って、ちょっと泣いて、
過ぎゆく時間を惜しむように、話をした。
本当は雨が好きだけど、
今日だけは降らないでって、心で祈る。
会えなくても繋がっていて、
言葉を交わさなくても、通じ合えること。
想い出の中で、笑っていられること。
音楽に包まれ、真っ暗な空を見上げながら、
このまま朝が来なければいいのにと思う。
沈黙の中に、そっと寄り添っていた言葉。
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