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2012.12.30 |
終わりに |
今日も、陽だまりを探して暖をとる。
寒い日の決まりごと。
走り抜けるように、十二月が終わろうとしている。
この一年の出来事が、頭の中をぐるぐる回る。
花を摘みに来てくれる人がいて、
実を見つけに来てくれる人がいて、
季節を感じに来てくれて、
景色を切り取りに来てくれて、
何かを探しに来てくれて、
寄り添ったり、受け留めたり、
思いついたように、ふと立ち寄ってみたくなる。
そんな場所でありたいと思うのです。
今年は、私のとって特別な一年となりました。
来年もまた、素敵な年となりますように。
お世話になった全ての皆さまに、心から感謝いたします。
どうぞ、良いお年をお迎えください。
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2012.12.6 |
特別 |
青い葉の中に、ひっそりと佇んでいた実。
思いがけず見つけたら、
とっても嬉しくて、
ちょっと飛び跳ねてみたくなる。
そんな偶然だけを連ねたリースは、
たった一つだけの、特別なもの。
たった一日だけの、特別な日。
たった一瞬だけの、特別な時。
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2012.12.4 |
赤い実 |
山からの贈り物。
まるで笑っているような、真っ赤な子。
あなたのお名前は?
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2012.11.28 |
豆本 |
ふと立ち止まり、
自分の歩いた道を振り返った時、
どんな思いになるのだろう。
笑って、泣いて、後悔して、
それでも、前に進んで歩いてきた長い道のり。
小さな豆本のお話と、
大地の恵みを閉じ込めたパンの香り。
黒冬へ向かう、ある日の午後のこと。
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2012.11.27 |
リース |
常緑樹の、清々しい香り。
輪。
永遠。
続いていくこと。
この世界に、終わりのないことはあるのかな。
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2012.11.20 |
ツリー |
松ぼっくりを積み上げただけの、
ささやかなクリスマスツリー。
また、この季節がやってきたことを教えてくれる。
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2012.11.14 |
白 |
白秋。
きりりと冷たい風。
冬に向かう白。
余白。
沈黙。
白を思うとき、人は何を感じるだろう。
私にとっての白、二人にとっての白。
思いの詰まった空間には、
たくさんの方が足を運んでくださいました。
心から、感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました。
それぞれに、何かを感じていただけたら幸いです。
明日からはまた、真っ白な気持ちで。
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2012.11.3 |
沁みる |
急に秋が深まったように、
風が冷たく感じる。
衣替えもできないまま、十一月を迎えた。
イベントに向け、心は白く染まり始める。
白が色でないのなら、
染まるのではなく、沁みる、のかもしれない。
お祝いの花束は、優しい色で。
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2012.11.2 |
輪 |
sorajiさんへ、リースをお届けしました。
柔らかいもの、乾いていく姿、
小さい輪、淡い色、
硬い実、ユーカリの香り。
輪の季節。
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2012.10.29 |
ひとひら |
失くしたものが出てきたと思ったら、
また別のものがなくなっていた。
必要なものと、そうでないもの。
今は必要だけど、いつかは必要でなくなるもの。
必要とされている、ということ。
寒さが少し深まり、木々は色づき、
心は、その先を向いている。
葉を整理し、姿を整え、
手のひらから零れ落ちた儚い花の断片に、
今一度、思いを寄せる。
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2012.10.16 |
アオツヅラフジ |
山で植物と戯れた日。
いつも決まって雨だったのに、
今日は奇跡のような青空。
こんなにも、空は青かった。
青い実の蔓は、自然が描く美しい曲線。
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2012.10.15 |
クサギ |
失くしたものが、ふと出てきた。
いつもそう。
物を失くすのが得意で、物を探すのが苦手。
それでも必要なものは、必ず目の前に現れる。
青く光った実が、まるで宝石のように見えて、
赤い星に、そっと寄り添う。
こんなに可愛い姿なのに、
他に名付けようがなかったのかな。
いつものように夜空を見上げ、
強く光る星を見つけては、
そっと願いを込めてみる。
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2012.10.14 |
白いパンと白い花と。 |
ippo+kfleurs
三度目のこと。
「白」について、二人で話をしたのは、
いつのことだっただろう。
偶然にも同じ本を読み、同じ思いを抱いていた、白のこと。
パンと花、そして白。
素敵な秋の一日を、皆さまとともに過ごせますように。
白いパンと白い花と。
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2012.10.5 |
アケビ |
大きなアケビの実が、
ゆっくりと開いては、少しずつ反り返り、
甘い香りと、黒い種が溢れ出る。
まだ青い胡桃の実が、連なったまま枝にしがみついていて、
新芽がそっと覗いている。
クサギの実は、赤い星となり、
小さなすずめうりは、真珠のネックレス。
日々変わる植物の姿。
一番好きな季節が、ようやく巡ってきた。
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2012.9.26 |
カレンボク |
こんにちは。
元気な笑顔で扉を開けた、小さな小さなお客さま。
初めて来られたのは、いつだっただろう。
その頃は、まだ一言も話せなくて、
とても恥ずかしがりやの可愛い女の子。
会うたびに、少しずつ少しずつ成長される姿を、
私もまた、心に留めて。
空が秋に変わり、花が実に変わる。
ねこじゃらしの忘れものは、そっと紙に忍ばせる。
星のようで、バナナのような、カレンボクの実。
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2012.9.19 |
秋桜 |
山からのお届けもの。
野ぶどう、からすうり、あおつづらふじ、あけび。
青い実が、ほんの少しだけ色付いている。
コオロギが飛び回り、
華奢なコスモスは、頭を下げる。
伸びきったままのどくだみと、
夏の間にすっかり荒れてしまったお庭を眺めながら、
今日も見て見ぬふり。
もう少し蚊が少なくなったら、ちゃんと手入れをしよう。
そんな言い訳。
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2012.9.13 |
日扇 |
パッと目を見開いたかのように、
橙色の可憐な花が、こちらを見ていた。
ただただ、じっと見ていた。
花が萎み、実がふくらみ、小さな種が生まれる。
その終りは、いつのことだろう。
この道の先に、終わりがなければいいのに。
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2012.9.5 |
小さな花 |
賑やかな場所よりも、静かな場所が好きで、
大きなものよりも、小さなものに惹かれ、
高く飛ぶよりも、足もとを見ていたい。
不器用でも、正直な方がいい。
つまずいたら、もう一度歩き出せばいい。
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2012.9.4 |
柿 |
久しぶりのアトリエ。
まるでオープンの時間に合わせるかのように雷が鳴り、
雨が降り出した。
なんだか、私らしいな。
そんなふうに思いながら、グールドのピアノを聴く。
静かな始まり。
やがて雨は止み、陽が射し、お客さまをお迎えする。
秋を感じに来ました。
久しぶりの笑顔と、嬉しいお言葉。
コスモスと、栗と、柿と。
秋をぎゅっと束ねて、
九月の始まりは、とても素敵な一日となった。
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2012.9.3 |
明日は |
いつものように目が覚めて、
いつものように窓を開ける。
繰り返される朝の風景。
柔らかな風と、明るい日差し、微かに聴こえる虫の音。
ほんの少し、秋の空気。
さるすべり公園のさるすべりが綺麗に咲いて、
小さなフリルの花弁が静かに舞う。
長いお休みをいただいていましたが、
明日からは、また通常通りにオープンします。
秋のお花をしつらえて、
いつものように、いつもの場所でお待ちしております。
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2012.9.1 |
鼓動 |
大人になるって、どういうこと?
思いがけない問いに、一瞬答えにとまどう。
人は、いつから大人になるんだろう。
私は、どんな大人になっている?
子どもの頃よりも、少し我慢ができるようになり、
苦手だった虫は、こわくなくなった。
知らなかった世界を知り、知識は増えたけれど、
あの頃に見えていたものが、
今はもう見えないかもしれない。
それでも確実に年を重ね、人は大人になっていく。
日々は留まることなく過ぎ、
時に心は置いてけぼり。
あの日見た景色と、胸の鼓動、薄紫の花。
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2012.8.31 |
夏の終わり |
夕日の色を見て、雲のカタチを眺める。
空気が秋へと向かっている。
苦手だった夏も、終わりに向かう時には、
必ず淋しい気持ちになる。
秋桜を生け、花栗をあしらい、藤袴を愛でる。
八月の最後の日。
白い満月を見上げながら、ふと思う。
この夏は、特別な夏だった。
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2012.8.18 |
霧の中 |
豪霧升降。
夏の雲と、秋の雲。
小高い丘の上。
花の後ろ姿。
無音の時間。
星屑のような夜景。
ゴールドのピアス。
空が割れるような雷の音を聴きながら、
この数日間の出来事を、思い返してみる。
あの日の黒ホオヅキが、ぽとりと落ちた。
立秋の末候。
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2012.8.10 |
種 |
パチンと実が弾けて音を立て、
種が空を飛ぶ。
拾っては並べ、並べては拾う。
ある夏の日の一片。
いつもの詩集を開き、いつもとは違うページに目が留まる。
気がつくと、いつか、夕暮れがきている。
夕暮れという、鎮まる時間が好きだ。
束の間の、その時間のすきまから、
音もなく、影と、沈黙が滴ってくる。
日々にあって、難しいこと。
ー希望を始末すること。
空飛ぶ種のように、自由でいたい。
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2012.8.6 |
夕焼け色 |
寝不足の目をこすりながら、
早起きをして花市場へ。
花のあとの青い実が、ほんの少しだけ色づいている。
秋への準備。
お気に入りのバッグは、
見上げた空に広がる、美しい夕焼けのような色。
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2012.8.4 |
ため息 |
トンネルを抜けたら、
いつもより、空が大きく広がっていた。
こんもりと茂った森の木々は、すっかり切り落とされていた。
大好きな南京ハゼの並木道。
伸びやかな枝々が、短く切り落とされていて、
とても悲しい気持ちになった。
無防備に出歩いていたら、
首もとはTシャツのかたちに、
足もとはサンダルのかたちに日焼けした。
暑すぎて、蝉の声さえ聞こえてこない。
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2012.8.2 |
lesson |
香ばしいパンの香りと、
仄かな花の薫り。
和やかな雰囲気の中で過ごした初めての試みは、
とても楽しく、貴重な時間でした。
作ること、食すること、触れること、愛でること。
かけがえのないものは、
日々の中に存在している。
共に時間を過ごしながら、そんなことを思いながら。
ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。
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2012.7.25 |
捲土重来 |
太陽がジリジリと照りつけ、
夢中で白球を追いかける姿を、ただただ見ていた。
とびっきりの笑顔も、悔し涙も、
眩しいほどにきらきらしていて、
声をかけたい気持ちを、そっと呑み込む。
捲土重来。
いただいた言葉の意味を知り、
またその先へと、思いを向ける。
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2012.7.21 |
夏休み |
暑い日が続いています。
夏の間は、少し長いお休みをいただくことになりました。
アトリエはお休みをいただきますが、
引き続き、お花のご注文などはお受けしておりますので、
どうぞご相談ください。
少し秋の気配が感じられる頃、
また皆さまにお会いできますことを、楽しみにしております。
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2012.7.19 |
コブシ |
山からのお届けものは、
少し色付きかけた、コブシの実。
ぎゅっと拳を握り締め、
そっと開いた指先には、血豆のあとが残っていた。
切り傷も、すり傷も、火傷のあとも。
何かを作り出す手に残る傷は、
きっと美しいものなのだ。
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2012.7.18 |
ヴィオール |
力強い指先。
振りかざす腕。
低音が、身体の奥に吸い込まれる。
微かな息使いの音も逃さないよう、
耳を澄ませる。
美しい音、美しい姿。
言葉はいらない。
まるで踊っているかのような音符を眺め、
昔々の世界に、恋焦がれる。
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2012.7.9 |
向日葵 |
暑い日差しが照りつけ、
黄色い花を買った。
眩しい色を眺めながら、少し憂鬱な気持ちになる。
日が暮れかけた帰り道。
薄い雲の向こうに見えた空の色は、
桃色のようで、紫のようで。
美しい空を見上げながら、少しため息。
確実に、苦手な夏がやって来た。
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2012.7.6 |
Karl Blossfeldt |
迷える子羊は、
いつも泣きそうな顔でやって来る。
数年前、ふと出会った写真に引き寄せられ、
いつの日にか、また出会う。
流れるままに、流されていよう。
そんなご縁も、あるのかもしれない。
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